ミサンガが切れる時
別にミサンガじゃなくてもいい。
使い古したものがプツンと切れる瞬間を想像する。ものの一瞬で、その物の全てが壊されてしまうあの瞬間ほど悲しさより切なさが募る事は生きてきてないと思う。
あなたはよく頑張るけど壊れてしまいそうだね
偶にそう言われる事がある。余計なお世話だし、私の何を知っているんだ、ともついつい思ってしまうが、
その瞬間は突然来る。
自制心ではどうにも出来ない。何も出来なくて何も考えられなくて、体が何1つと言う事を聞いてくれない。
ある日壊れてしまう。
双極性障害だから。
本当は、本当は頑張りたくて仕方ないのに、私の中にある頑張れない私が、今日だけはもう生きれないって言う。そして頑張りたい私を押さえつけて泣き叫ぶ。
その瞬間を私は悲しさなんかよりも切ないと感じる。昨日まではあんなに頑張れたのに、信頼の言葉を失わないように、前を向いてひたむきに努力出来たのに。
色んな事を思い、何も出来ない自分に悲しむ。
見る人が見れば、今の私はやる気のないヘタレ野郎で甘えん坊さんなだけ。でも違うんだ、もっと頑張れる。あなたを支えられる私だっているんだ。今は、今は見せれないけど、もう少しだけ待ってくれれば、私は、、
そんな悪あがきをしたくなる事だってたまにある。
普通を普通に出来ない体に、体がさせてしまうんです。誰か1人の理解が広まれば、障害者でも生きやすい社会が出来れば、そう願いながら、ある日音もなく切れてしまった心のミサンガを沢山の時間をかけて治した。